「あなたがはいというから」 谷川直子 2021年1月発売
今回読んでスケッチした本は、こちら。
「あなたがはいというから」
私立病院長の一人娘で何不自由なく育った瞳子は還暦を迎え、大学の同窓会で「魂の双子」みたいだった元カレの亮と会う。脱サラして作家になった彼は奥さんの異常な執着と二作目が書けないストレスで酒浸りのダメ人間。昔の恋人と再会で惹かれあうがさすがに60歳同士なので自制する。
昔不妊の末、2000万円で跡継ぎのため息子を買い大切に育てた。息子は結婚相手を家に招いたが相手は偶然父親違いの妹だった。
実はその息子の父親は仕事一筋の外科医の旦那だった。旦那は生まれが不幸で貧乏がゆえ主人公を利用し、愛人と結婚前から病院を乗っ取ろうとしていた。
設定が大渋滞している中、元カレに相談したりパリに行ったり忙しい中、物語の本質の「文学は人生に役立つか」を模索する。
ちょっとイベントと複線が多すぎて難しいですが、人物や時代背景やシチュエーションがバラエティーに富んでいるので共感しやすいです。
ささるひとにはかなりささります。
各レビュー高評価。
作中の本は実際にある名作
「魂の双子」の二人は文学についてのそれぞれの考え方でストーリーが進みます。
「ペスト」は医師リウーが未知な伝染病と戦うの話。医学を目指すことができずに文学を愛した瞳子。
「文学は医学のように人を癒すことができるのか」がサブテーマで関わってきますが、複線で医師が主人公の「ペスト」を愛読する亮。
「若草物語」も登場していました。子供の時にしか読んでいなかったけど今読むとまた違う感想を持ちます。
(姉妹多くていいな、という話ではなかった。。)
作中の話の名作は再読したくなります。
物語のプロローグはパリからはじまる!
冒頭からよかったですね。パリの美術館で出会うふたり。旅行ができるようになったらパリに行きたい!
ふたりはパリサンジェルマンのホテルで再会しまいたね!
描写が素敵ですごく行きたくなりました~!!