タイトルの謎解きと思いきや!
「警部ヴィスティング カタリーナ・コード」ヨルン・リーエル・ホルスト 2020年2月発売
タイトルになっている「カタリーナ・コード」が何を表しているのか。
2019年北欧ベスト・ミステリー受賞作!「ガラスの鍵」賞、マルティン・ベック賞、ゴールデン・リボルバー賞の三冠に輝いた『猟犬』の警部ヴィスティングが帰って来た!
温かい気持ちになれる読後感
完全なフーダニット(犯人あて推理小説)ではなく、途中から主人公ヴィスティングの人情味とスリルがいい塩梅でかつ重厚に、読者の心拍数を操ってくる。
危険すぎても疲れるしいい話過ぎてもダメ。
大切に事件を扱うヴィスティングを、人間愛で包み込むように描いて納得の北欧ベスト・ミステリー受賞作!
ノルウェーの暮らしぶりが素敵
舞台となる地方都市ラルヴィクは、オスロの南西100キロほどにある人口2万3千の著者の住む町。
ミネラルウォーターの水源として知られる水のきれいな都市。
文中のノルウェーの人々の暮らしぶりにも興味を惹かれます。数日間かけて山小屋で釣りをして釣った魚を保存のきくように塩漬けしていました。
スカンジナビア半島の最北に位置するノルウェーは、フィヨルドやオーロラなどの大自然を堪能できる北欧の国。そして、街歩きもとっても楽しい国です。
ノルウェーに旅行してゆっくりしたい。。
作中の、楽しみながら休暇を過ごす様子はワクワクします。
憧れますね〜。
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被疑者と主人公の名前が似てる
純日本人の私は、聞きなれない外国人の登場人物は深追いせず最初の何文字かのあだ名でとりいそぎ読み進めていきます。石田さんはイシちゃんです。そこへもし石沢さんが新しく登場するとイシちゃん2により混乱します。
「以前、ヴィスティングと車で通りかかったときにヴァスヴィクの顔は確認している」
えーと。。。
ヴイが渋滞している・・・。
もし私が小説を書くときは、海外の方にも読みやすいようにイシちゃんは1人だけにします(笑)
カタリーナが残した書置き(カタリーナ・コード)は一体何を表しているのか?
カーブを描くうっすらとした線が三本、紙を仕切るように線に引かれ、そのあいだに細長い空白が二つ形作られている。下端はには交差する形で横線が一本引かれている。何通りかの数字も記されている。丸で囲まれた362が二か所。334も同様だ。18も同じように二か所登場する。こちらは四角で囲まれている。さらにいくつもの数字が紙全体に散らばっている。206,613,148,701,404,そして49。不可解な暗号のなかでとくに目を引くのが、端のほうに書き込まれた十字のしるしだ。縦棒が横棒より長いため、宗教的な象徴、つまり十字架にも見える。黒いボールペンで幾重にもなぞられているせいで紙が破れかけている。「カタリーナ・コード」
十字架にも見える、タイトルになっている謎の「カタリーナ・コード」が何を表しているのか想像しながら読み進めることになりますが、描写がわかりにくく覚えにくく、数字がいくつか記載されていて縦の線が3本引いているらしいことはわかったけれど、「結局こういうことだったのか!」となったときにイラストとして頭に残らず、置き去りにされた感じが残念でした。
図を挿入するか、数字の不規則な羅列の書置きが机の上にあった程度の描写でよかったかもしれません。
冒頭の過去の事件ファイルの描写はかなり詳細なんですけどね!
ヴィスティング警部シリーズの表紙のイラストはどれも、すてき。
映画に出てきそうな、でもハンサムじゃないざっくりとした外人は、ジャケ買い~
北欧ベスト・ミステリー受賞
2019年北欧ベスト・ミステリー受賞作!「ガラスの鍵」賞、マルティン・ベック賞、ゴールデン・リボルバー賞の三冠に輝いた『猟犬』の警部ヴィスティングが帰って来た!
2015年の『猟犬』以来、久々の邦訳となった本作は、2019年英国ペトローナ賞(英訳北欧ミステリ・オブ・ザ・イヤー)受賞作である。
著者のヨルン・リーエル・ホルストは、自身が警察官出身。ノルウェーの警察小説の第一人者として、本国ノルウェーのみならず、北欧各国、英語圏で人気を博している。